残すべきものとは?
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 今回のコラム寄稿者は OGWRYK さんです。
 熊野へ参らむと思へども、かち徒歩より参れば道遠し、すぐれてやまきび山峻し、馬にて参れば苦行ならず、空より参らむ、羽賜べ若王子
                           〜 梁 塵 秘 抄

 人とは年を重ねて、それまで見えなかったものの大切さに気づくものであると思う。その時その時を当たり前のように受け入れ、順応できる器用さが、人を「もっと、もっと」と推し進めてきた。
 私自身半世紀以上生き、どちらかというと新しいもの好きだったはずが、世の中には「残すべきもの」「残さねばならぬもの」があることに気づいた。その多くの有形無形のものは人によって異なると思うが…。
 私は今、ある有形のものを生かしてそして残すために「善光寺街道協議会」という組織を立ち上げ、活動に係わっている。私の住む麻績村には、古の時代善光寺へと向かう祈りの道・善光寺街道があり、十三の宿場が当時の旅人を迎えていた。
 昔の人にとって現世は辛く、悲しく苦しいものであった。 せめて来世での幸せを求めて、それを可能にしてくれるというお寺・善光寺詣でをすることが、生涯の願いであったという。
 七年前、「歴史」ということを見据えての村おこしを…と、道を通して点を線につなぎ、面にしたいと小さな活動をはじめた。
 始めてみるとそれぞれの地域には、その地を愛し、続いてきた歴史や文化を守り、後世に繋ぐ努力をしているグループがあることを知った。「残さねばならぬもの」の大切さをずっと考えてきた人たちであると思う。
 昨年十二月、世界遺産「熊野古道」を歩く機会を得た。
 千年あまりという悠久の時間を経てなお美しい姿で残されている石畳の峠道を歩きながら、道を築いた人々の苦労、感謝しながら歩いた人の思いを感じた。
 水や岩や樹などすべての自然を、信仰の対象として祀り、手を合わせて生きてきた人々が、世の中がどう変わろうとも、今を生きるものの勤めとして後の時代に残すための努力を継続してきたことのすごさを痛感した。
 一個人として、一職業人として、ちょっときばって一日本人として、「残すべきもの」「残さねばならぬもの」は?って考えてみませんか?
 
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