「わたしたち」輪からの展望
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 今回のコラム寄稿者は HGTO さんです。
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JR南浦和駅の京浜東北線ホームにそんなアナウンスが流れたのは、2013年7月22日、午前9時13分頃のこと、その時、乗客はどのような行動を選択したのか…。
 日米の文化を比較すれば「選択」に対する考え方や、選択が実際に行われている方法の地域差を理解する手段として、あらゆる文化的特性を通して比較することが特に有効だと認められている。それは個人主義と集団主義の度合いだ。
 自分の事を少し振り返ってほしい。何かを選択するとき、あなたが真っ先に考えるのは自分が何を求めているのか、それとも自分だけでなく周りの人達にとっても何がベストかを考えるだろうか?この一見単純な問題が国の内外を問わず、すべての文化や個人の大きな違いの中心に潜んでいる。
 あなたは選択を行う際「わたし」と「わたしたち」のどちらに重点を置くよう教えられているだろうか?
 アメリカをはじめ、個人主義志向の強い社会に育った人は、選択を行う際、何よりも「自分」に焦点を置くように教えられる。他者の目標よりも自分自身の目標を優先させる。つまり選択を「機会」という観点からとらえる考え方だ。
 これに対し、日本などの集団主義社会に属する人々は、選択を行う際「わたしたち」を優先するよう教えられ、自分というものを主に自分の属する「集団の成員との関係性を重視」し、「個人的な目標よりも集団の目標を優先させることを厭わない」人々をいう。「負けるが勝ち」という日本のことわざに込められているのは、「我を通すより和を重んじる方が望ましい」という考え方だ。
 集団主義は個人的特性だけが、自分自身を形作っているとは考えない、自分の属する集団との関係を通して自分のアイデンティティを理解する。その為出来るだけ社会の集団にとけ込み集団との和を保とうとする。
 ここで文章の冒頭に記した事故で乗客はどのような行動をとったのでしょうか?
 普通列車から降車しようとしていた30代の女性が足を踏み外し、電車とホームの間の10pほどのスキ間に落ちてしまい、駅員が女性を引っ張り上げようとしたがうまくいかない。そんな中、誰に言われるでもなく、駅員と約40名の乗客達は一列に並び、一斉に車両を押し、数回目で重さ32トンの車両が傾き、女性は救出された。
 このニュースを米・CNNテレビは「おそらく日本だけで起こりうること」と称賛。
このような報道を知る度に「絆」で結ばれる日本人の道徳意識の高さを感じ、誇りに思う。
 昨年の世相を表す漢字が「輪」と発表された。清水寺の森貫主は、「輪は大勢の人が手を握り合って、円滑に回転していく字、譲り合い、支え合い、認め合うところに、輪の精神がある」と。
 今年は「輪」に続くどんな漢字が発表されるかは「わたしたち」が何を考え、どのような選択をして行動するかで表現される。
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