「フーテンの寅さん」
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 今回のコラム寄稿者は、TNKHRSさんです。
 2020年、世界中に脅威をもたらした新型コロナウイルスの感染拡大で、仕事も生活もそして取り巻く社会全体も一変してしまいました。今まで当たり前だった生活習慣や対人関係、楽しみなど全てが根底から見直さなければならず、誰もが不安と不憫な生活を強いられております。映画が好きな自分にとって劇場の再開はしたものの、上映時間や新作の公開がまだまだ以前のようなわけにはいかず、外出自粛期間中はとりわけレンタルDVDを借りてきてはささやかな楽しみに浸っていました。
 誰もが知るフーテンの寅さんこと車寅次郎の、日本各地の美しい風景を背景に人情溢れる映画「男はつらいよ」は、全49作におよぶシリーズで、ギネス記録を打ち立てた長寿もの。お盆と正月には決まって公開されて日本の風物詩とも言えるこの映画も、渥美清さんが亡くなった今ではもう過去のものとなりつつありますが、昨年末に22年ぶりとなる「男はつらいよ お帰り寅さん」が公開され再び話題を呼びました。映画の中での寅さん、
「困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。おじさんどっからでも飛んできてやるから・・・」
天からの言葉が、なんともあったかく心に染み入るそして勇気づけられるものです。
寅さんの人間性の魅力もさることながら、このシリーズのもうひとつの見どころは、全国津々浦々にわたるロケーションで描かれる古き良き日本の文化や情景が描かれ、そこに暮らす人たちとのふれあいや人間味溢れるシーンの数々です。
寅さんのテキヤという仕事柄、日本中の祭りの風景と自然豊かな映像は、映画を通して日本を旅している気分にもなれます。世界の国々から見れば狭い領土ではありますが、スクリーンに映し出される四季折々のすばらしい風景は、新たな発見を見いだしてくれます。まだまだ遠出ができない状況ですが、こんな映画を観て日本各地を旅する気分に浸るのもまた良いものです。
以前、このコラムで日本最長の国道4号線走破の夢を書いたことがありました。国道のみならず日本中の大小さまざまな道を通ってみたい、その土地その場所のいろんな風景を実際に目にしてみたい、今でもそんな欲望にかられます。日本は周りをすべて海に囲まれた島国ですから、海岸道路も魅力的なところが沢山あるに違いありません。いったいどのくらいの海岸線があるのでしょうか・・・ 素朴な疑問のもと調べてみたら、なんとも予想外のトリビアでした。国土が狭い(世界第62位)わりに、海岸線の総延長は約3万kmにおよび、なんと世界第6位だそう。あの広大なアメリカ合衆国やオーストラリアを上回っていました。
道路オタクと呼ばれそうですが、日本の白地図に通ったことのある道を赤鉛筆でなぞってみたりして、足跡をペタペタとつけてみたいそんな気持ちに駆られます。かつて寅さんが日本中を歩いたことを想像しながら、見知らぬ土地や人との触れ合いを感じながら。
日本中を旅した破天荒で変わり者、面白く優しく思いやりに溢れた寅さんはこうも言いました。
「生まれてきて良かったなぁって思うことが何べんかあるじゃね、そんために人間生きてんじゃないのか」と。.
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